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福島県会津若松市の地域おこし協力隊に、イタリア出身のレオナルド・バルベリーニさん(26)が任命された。同市初の外国人採用で、インバウンド(訪日客)の対応とサムライ文化の発信を担う。12日、市役所で委嘱状交付式が行われた。
バルベリーニさんは母親が日本人で、子どもの頃から日本の歴史や文化に興味があり、ローマ大で武士道の研究に取り組んだ。親交のある市観光大使の島口哲朗さん(サムライアーティスト剣伎衆かむゐ代表)の紹介で協力隊に応募し、採用された。
市内ではコロナ禍後、訪日客が急増している。市によると、鶴ケ城天守閣の外国人入場者数は、2019年度の2万4795人から2024(令和6)年度には3万2970人に増加。一方、鶴ケ城周辺の観光にとどまるケースが多く、市内を広く巡る訪日客は少ないという。市は「同じ目線」で案内をすることで滞在型観光を推し進めようと協力隊に外国人を採用した。
交付式では室井照平市長が「会津の歴史を多くの外国人に伝えてほしい」と委嘱状を手渡した。バルベリーニさんは「若松の魅力を届け、日本とイタリアの架け橋となりたい」と意気込んだ。
バルベリーニさんは当面、鶴ケ城の観光案内所を拠点に活動する。武士の衣装や甲冑を身に着け、サムライ文化も伝える。
市は今夏、もう一人の外国人を協力隊として採用する。