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白河提灯まつりで使われていた福島県白河市中町の山車の修復作業が終わり、市内中町のなかつか耳鼻科駐車場で11日、関係者にお披露目された。引き回しも行い、地元氏子らが伝統文化の継承を誓った。
昭和初期に造られた山車は近年、老朽化が激しかった。修復は文化庁や市の補助を受け総工費約900万円をかけて昨年8月から進めた。埼玉県秩父市の宮大工・荒木社寺設計が請け負い、今年3月末に完了した。
高さ約5メートル、幅約4メートル、奥行き約5メートル。前後に大型の彫刻が取り付けられ、車輪は珍しい木製の輪切り。傷んでいた屋根も厚めの板で張り替えた。
中町氏子総代の市川憲さんが「修復作業がようやく終わった。地元の貴重な宝をしっかり維持、継承していきたい」とあいさつ、来賓の井上賢二副市長が祝辞を述べた。
鹿嶋神社の和知延宮司による安全祈願の後、中町の子どもたちがおはやしを披露した。国道294号の一部を通行止めにして引き回しが始まると、見守った市民から大きな歓声が上がった。お祝いの餅もまかれた。
山車は通常、町内の山車会館に収納される。白河提灯まつりは隔年で9月半ばに3日間、開催されており、次回は来年となる。(県南版)