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阿武隈川緊急治水対策として国が進めている遊水地整備事業で、国土交通省福島河川国道事務所は15日、福島県の矢吹、玉川の両町村にまたがる第2遊水地予定地に整備した水田で稲の作付けをした。土壌や水質の変化によるコメの生育や品質への影響を調べ、遊水地内での営農継続の可能性を探る。
試験栽培は第2遊水地予定地内の矢吹町側にある広さ約42アールの土地で実施し、栽培担当の仁井田健さん(63)=玉川村=がコシヒカリの苗を植えた。同事務所は県の指導の下、仁井田さんが所有する別の水田で収穫したコメと、品質や収穫量などを比較する予定。
この水田は国が2024(令和6)年11月から2025年4月にかけて整備した。周辺の農地より約2メートル掘り下げた高さにあり、地下水との距離が近く、水はけが悪くなるのではないかと地元農家らから心配する声が上がっていた。田植えを終えた仁井田さんは「土がやわらかくて少し心配だが、苗の成育に問題はないと思う。水田の整備は農家にとって望ましい」と話した。