【ふくしま創生臨時支局・福島市松川町】八丁目城跡を地元の名所に 住民有志、整備進める 近隣の旧幼稚園舎を活用

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【ふくしま創生臨時支局・福島市松川町】八丁目城跡を地元の名所に 住民有志、整備進める 近隣の旧幼稚園舎を活用

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福島市松川町にある中世の山城跡「八丁目城跡」を保存活用する動きが活発化している。有志が環境を整える協議会を設け、地元の名所になるよう寄付を財源に修景に取り組んでいる。城跡入り口にある旧まつかわ西幼稚園舎を人々が集う場として再生する構想も抱く。「八丁目城跡をにぎわいづくりの拠点にしたい」。関係者は意欲を燃やしている。
城跡は松川町の商店街の北西側にある民有地で、旧松川小の背後に広がっている。標高は約250メートル。昭和期は住民が畑やスギの植栽地として利用したが、近年は手入れが行き届かない場所が目立ってきた。
住民有志は2021(令和3)年、協議会を設け、散策路や周辺の整備などを進めてきた。寄付金を使い、これまでに樹木約100本を切り倒した。戦国時代、南から来る敵対勢力を監視する場となった歴史を踏まえ、城跡南側の眺望を遮る樹木を優先的に伐採している。70~80人程度に上る城跡の土地所有者の一部は連絡がつかないが、所有者の承諾を得られた場所から整備している。
城跡は4月に開校した松陵義務教育学校から1キロ程度の場所にある。地域学習に励む児童生徒に足を運んでもらうことも視野に入れている。
旧まつかわ西幼稚園を使ってイベントを催し、にぎわいづくりにも力を注ぐ。木工体験や堆肥チップ作りなどの親子教室を催している他、俳句や短歌を詠みながら城跡などを巡る文化事業を展開している。協議会が収集整理している古文書の保管場所などとして活用することも考えている。
協議会の会長を務める丹野義明さん(75)は「一般の人に気軽に足を運んでもらえる場にし、山城としての価値を高めたい。文化財指定にもつながればいい」と話している。