2024年度ホープツーリズム参加者 1万9071人、過去最多 新設アンバサダーなど奏功 福島県

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2024年度ホープツーリズム参加者 1万9071人、過去最多 新設アンバサダーなど奏功 福島県

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東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興の現状や教訓に触れる「ホープツーリズム」の2024(令和6)年度の参加者数は前年度を2595人上回る1万9071人で、過去最多となった。新設のアンバサダーによるPRや教育団体へのツアー提案などが奏功したと福島県は分析している。
ホープツーリズム事業を始めた2016(平成28)年度からの参加者数と件数の推移は【グラフ】の通り。1万9071人のうち、会社の研修などを含む「一般団体」が6243人、「教育旅行」が1万2828人だった。首都圏を中心とした県外からの参加が7割以上を占めた。台湾など海外からは4件70人が訪れた。件数は438件(前年度比42件増)で最多を更新した。
県観光物産交流協会に申し込み、専門的な知識などを持つ「フィールドパートナー」の案内を受けたツアーを集計している。
県は昨年11月、福島大の前川直哉准教授、灘中・高の池田拓也教諭、浅野撚糸(双葉町)の浅野雅己社長、映画監督の古波津陽さんをそれぞれ公式アンバサダーに任命した。教育などそれぞれの分野で裾野を拡大した。
浅野撚糸の復興に向けたワークショップや施設見学、双葉郡まちづくり協議会のフィールドワークなど地元の取り組みもホープツーリズムの参加者増につながっているとみている。
県観光交流課の木村優介主幹は認知度の向上などを課題に挙げる。来年のデスティネーションキャンペーンなどの機会を捉え、新規拡大やリピーターの確保を目指す。「アンバサダーとともに教育的価値を高めたい。より広く知られるよう取り組む」と語った。