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福島大の研究グループ「金谷川キャンパス生物多様性保全・活用研究所」は、学内の自然や歴史を紹介する看板を福島市松川町の同大フクニチャージ図書館(付属図書館)前の松林に設置した。絶滅危惧種を含む同大の生物多様性やキャンパスを活用した研究成果を発信している。
同大が1979(昭和54)年に市中心部から移転するまでは、キャンパスはコナラやアカマツの林が広がる里山だった。現在も環境省レッドリストの準絶滅危惧オオムラサキや絶滅危惧Ⅲ類キンラン、県レッドリスト準絶滅危惧ハイタカなど植物約500種、昆虫90種、鳥類97種が確認されている。図書館前の松林には移転前の自然環境が残されており、生物多様性を学生や教職員、地元住民らに知ってもらおうと高さ160センチ、幅120センチの看板を新たに掲げた。
生物に関する研究成果のほか、松林内に祭られている4体の石仏「はっつけ地蔵」や、キャンパス周辺の古道に関する解説も掲載している。
研究所代表の藤野正也同大食農学類准教授は「金谷川キャンパスに生息する生物を多くの人に理解を深めてもらいたい」と話している。