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2024酒造年度(2024年7月~2025年6月)に製造された日本酒の出来栄えを競う全国新酒鑑評会の結果が21日、発表される。福島県日本酒アドバイザーで県酒造組合特別顧問の鈴木賢二さんは19日、福島民報社の取材に答え「個性を打ち出す蔵元が増えた」と造り手の努力を語った。
―都道府県別の金賞受賞数日本一奪還に向けた蔵元の努力は。
「近年、審査傾向が変わり、味がしっかりし香りが高い方が評価されやすくなった。酒米を県産に変えたり、純米酒で挑戦したりして、賞を狙えるように酒の設計図を変えている」
―酒どころとして福島県への注目は大きい。
「知名度が向上し、日本酒を福島の顔として印象づけることができている。9連覇という偉業を為し遂げた意義は大きい」
―出来栄えは。
「前年並みとみている。猛暑により史上最も硬いコメになった。水に溶けないという想定を最初から持ち、水の割合を減らして調整するよう蔵元に指導した。昨年、都道府県別の金賞受賞数で1位だった兵庫と競り合う状況だろう」■全国から809点出品
全国新酒鑑評会の審査結果は21日午前10時ごろ、酒類総合研究所のホームページに公表される。都道府県別の金賞受賞数で3年ぶりの日本一に返り咲くかが注目される。
福島県は新型コロナウイルス感染拡大の影響で金賞を選ばなかった2019酒造年度を挟み、2012酒造年度から9連覇した。2022酒造年度の5位で連続記録は途絶え、昨年は2位だった。
鑑評会は酒類総合研究所(広島県東広島市)と日本酒造組合中央会(東京都港区)の共催。全国規模で開かれる唯一の新酒鑑評会で、今回で113回目。今回は全国から809点が出品されている。