福島県産酒3年ぶり日本一 全国新酒鑑評会 16銘柄が金賞

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福島県産酒3年ぶり日本一 全国新酒鑑評会 16銘柄が金賞

福島のニュース


酒類総合研究所(広島県東広島市)は21日、2024酒造年度(2024年7月~2025年6月)に製造した日本酒の品質を競う全国新酒鑑評会の結果を発表した。福島県は兵庫県と並び16銘柄が金賞を獲得し、3年ぶりに都道府県別の金賞数日本一に輝いた。猛暑によって硬化した酒米に対応した高い技術が求められた中、各蔵元のたゆまぬ努力が結実し「日本酒王国ふくしま」の名を改めて響かせた。県は県産酒を復興の象徴として国内外にアピールする。
金賞銘柄は昨年より二つ減ったが、金賞を含む入賞数は30銘柄で、新潟県と並んで全国最多だった。
硬いコメは水に溶けにくく、味や香りを醸しづらい。県日本酒アドバイザーの鈴木賢二県酒造組合特別顧問は仕込み水を減らし、しっかりとした風味となるよう各蔵元に助言した。吟醸酒では通常、コメの1・4倍の水を使うが、今回は1・3倍への減水を提案した。鈴木特別顧問は「硬化した酒米への対策が功を奏した」と振り返った。
国内の日本酒は消費量が減少傾向にある。県はふくしまデスティネーションキャンペーン(DC)やイベントを通じ、県産酒の魅力PRを続ける。海外でも日本酒の人気は高まっており、内堀雅雄知事は21日の金賞受賞セレモニーで「日本一奪還をチャンスに、輸出促進にも県として力を入れたい」と話した。
鑑評会は酒類総合研究所と日本酒造組合中央会の共催。113回目となる今回は全国から809点が出品された。4月の予審と5月8、9の両日の決審で入賞410銘柄を決め、特に優れた202銘柄を金賞に選んだ。
福島県はコロナ禍の影響で金賞を選ばなかった2019酒造年度を挟み、金賞受賞数で2012酒造年度から9連覇した。県内の金賞以外の入賞14銘柄と蔵元は次の通り。
藤乃井(佐藤酒造店、郡山市)千功成(檜物屋酒造店、二本松市)会津娘(髙橋庄作酒造店、会津若松市)純米大吟醸
嘉永蔵(末廣酒造嘉永蔵、会津若松市)夢心(夢心酒造、喜多方市)大吟醸
きたのはな(喜多の華酒造場、喜多方市)会津ほまれ(ほまれ酒造、喜多方市)笹正宗(笹正宗酒造、喜多方市)國権(國権酒造、南会津町)楽器正宗(大木代吉本店、矢吹町)萬代芳(白井酒造店、会津美里町)學十郎(豊國酒造、会津坂下町)一生青春(曙酒造、会津坂下町)金水晶(金水晶酒造四季の蔵、福島市)■セレモニーで蔵元たたえる
福島
県は21日、福島市のまちなか広場で全国新酒鑑評会金賞受賞セレモニーを開き、金賞を受けた蔵元をたたえた。内堀雅雄知事、県酒造組合の渡部謙一会長、鈴木賢二特別顧問をはじめ、金賞受賞蔵元の代表者が参加した。渡部会長の発声で乾杯した。■蔵元の努力誇らしい
県酒造組合会長
県酒造組合の渡部謙一会長(南会津町、開当男山酒造蔵元)は「蔵元の努力と情熱が実を結んだ結果で、誇らしい。これからも研究を重ね、連覇に向け(組合員と蔵元と)共に頑張りたい」と話した。