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国重要無形民俗文化財「相馬野馬追」は24日から26日まで、福島県の相双地方で繰り広げられる。今年から女性の出場条件が緩和され、20歳以上の女性騎馬が8騎出場する。新たな野馬追の幕開けを前に23日、安全祈願祭や歴代相馬藩侯墓前祭などを行い、騎馬武者が士気を高めた。
旧相馬中村藩の宇多郷、北郷、中ノ郷、小高郷、標葉郷の各騎馬会から394騎が出陣する予定。24日は各郷が南相馬市原町区の雲雀ケ原祭場地を目指して出陣する。25日は市内原町区で騎馬武者らが行列を披露し、祭場地で甲冑競馬や神旗争奪戦を繰り広げる。最終日の26日は市内小高区の相馬小高神社で野馬懸の神事を執り行う。■武運長久と無事凱旋祈る
歴代相馬藩侯墓前祭
南相馬市小高区の同慶寺で歴代相馬藩侯墓前祭が開かれた。参加者は歴代藩候の霊を慰め、相馬野馬追での武運長久と無事の凱旋を祈った。
小高郷騎馬会や檀家などから約40人が参加した。螺役が歴代藩候の位牌が安置されている御霊屋に向かって礼螺を吹奏。森島祐一小高区野馬追執行委員長があいさつした。
田中徳雲住職が御霊屋から本尊を本堂に移し、読経した。相馬中村藩主家第33代当主・相馬和胤さんの長男で、総大将・言胤さんの父行胤さん(50)ら相馬家一族が参列し、「威風堂々の行進をして数々の武勲を挙げ、無事に凱旋することを願っている」と激励した。■相馬では安全祈願祭と出陣祝いの宴
総大将出陣の地となる相馬市の相馬中村神社で23日、安全祈願祭と総大将出陣祝いの宴が催された。
本殿で神事が行われ、相馬野馬追の成功と騎馬武者の無事の凱旋を願った。
相馬中村藩主家第33代当主・相馬和胤さんの孫で総大将の言胤さん(16)が「今年も新緑の薫るこの季節に、相馬野馬追祭が執り行われる。各騎馬は、1千有余年培ってきた団結の精神を皆に示してほしい。全員が威風堂々出馬されるよう希望する」と騎馬武者を鼓舞した。