聖光学院執念の逆転 光南、王者にあと一歩 春季高校野球福島県大会 準決勝(5月24日)

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聖光学院執念の逆転 光南、王者にあと一歩 春季高校野球福島県大会 準決勝(5月24日)

福島のニュース

▽準決勝
聖光学院5-4光南
【評】聖光学院が光南にサヨナラ勝ちした。聖光学院は1点を追う七回無死三塁、竹内の中前打で同点とした。九回2死満塁、代打坂元の右翼への安打で試合を決めた。光南は初回に先制し、効果的に加点したが、リードを守り切れなかった。■代打坂元サヨナラ打
今大会初打席で決める
4―4の九回裏、2死満塁。聖光学院の代打坂元壱が放った打球が右翼の頭を越えると、聖光ナインは勢いよくベンチを飛び出した。坂元は両手を突き上げ、歓喜の輪に加わった。「スタンドの皆が打たせてくれた。最高の打撃だった」と頰を緩めた。
五回終了時点で光南に3点差をつけられていた。チームは六回に2点、七回に1点を返し、同点に。最終回に巡ってきた一打サヨナラの場面で打席に立った。「自分の役目を果たすだけ」。フルカウントから外角高めの直球を振り抜いた。
8強入りした今春のセンバツは、レギュラーとして右翼を任された。激しいレギュラー争いの末、今大会はベンチ入りは果たしたものの、背番号は「19」。それでも、常に自分が試合に出ている感覚を持ち、準備を整えた。春の県大会初打席で放った一打は、値千金のサヨナラ打となった。
学法石川との頂上決戦は、昨夏の選手権福島大会決勝以来となる。勝利の立役者は接戦を想定し「起用されたら積極的に打ち、ベンチでも一丸で戦う」と闘志を燃やした。■信じた直球打たれる
光南・渡辺夏の雪辱誓う
光南の2番手で登板し、九回にサヨナラ打を許した渡辺真紘は「最後は自信のある直球で勝負した。ベストボールだったが相手が一枚上だった」と悔しさをにじませた。
七回からマウンドに上がり、連打で同点とされた。九回、2本の安打などで2死満塁のピンチを招いた。聖光学院の代打に全て直球で勝負した。フルカウントからの6球目、内角を強気に攻めたが右翼線に痛打された。「九回までつないでくれた仲間に申し訳ない」と肩を落とした。
持ち味の直球の球威を上げるため、筋力トレーニングや食事の量を増やしてきた。昨年から体重は10キロ以上増え、球速も最速135キロになった。「直球の精度をさらに上げ、夏にリベンジしたい」と雪辱を誓った。