聖光学院14安打10得点の猛攻 学法石川に快勝 春季高校野球福島県大会 決勝(5月25日)

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聖光学院14安打10得点の猛攻 学法石川に快勝 春季高校野球福島県大会 決勝(5月25日)

福島のニュース

▽決勝
聖光学院10-4学法石川
【評】14安打10得点の聖光学院が学法石川に快勝した。聖光学院は一回、細谷の2点左前打で先制。三回無死一塁から猪俣と竹内の適時打で2点を加えた。四回は竹内の2点二塁打などで3点を追加した。学法石川は七回1死一、三塁から、桜井の左越え2点二塁打などで3点を返したが及ばなかった。■聖光学院4番竹内2安打3打点
低い打球意識
聖光学院は決勝で今大会最多の14安打を放ち、5年連続の頂点に上り詰めた。上位から下位まで切れ目なく打線がつながり、前半のリードを守り抜いた。2安打3打点と活躍した4番竹内啓汰は「目の前のやるべきことに集中した結果」と晴れやかな表情を見せた。
春の選抜大会準々決勝で浦和実(埼玉)に大敗してから、選手は打撃を見つめ直した。フライを上げたらすぐ交代するルールをつくり、低い打球を意識した練習を重ねた。この試合では低く鋭い打球が内外野手の間を抜け、安打を量産した。斎藤智也監督は「集中力を持ってよく攻め立てた」と選手をたたえた。
竹内は三回1死三塁、右翼線を破る適時二塁打を放った。2死二、三塁で迎えた四回の打席は内角のフォークを捉え、左翼線への2点二塁打とした。「ストライクに対し、素直に体が反応した」と主砲としての成長を示す一振りとなった。
夏の前哨戦となる今大会を制し、チームは勢いに乗る。「個人としてだけではなく、チーム力をもっと磨いていく」と竹内。さらなる高みへ、成長を止めるつもりはない。【球児】野手信頼
6回1失点
聖光学院
松本叶我(2年)
県北支部予選の決勝戦以来の先発を任された。「打線がつないでくれると信じ、欲を出さずに投げられた」と胸を張った。1点は失ったが6回を81球の全力投球でまとめ、チームの連覇記録を守り切った。
「今日はお前で行くぞ」。球場に入る直前に斎藤智也監督から起用を言い渡された。コンディションは上々の中、マウンドに上がった。決勝の雰囲気に緊張はしたが「いつもの力を発揮しよう」と平常心を保ち続けた。野手にも厚い信頼を寄せており、常に安心して背中を預けられた。
得意のカットボールにチェンジアップとカーブを織り交ぜ、低めに集めて打ち取ろうと心がけた。効果は三回から表れた。死球で先頭を出したが、その後は12打席連続で凡打の山を築いた。試合をつくり、渡辺倖太ら投手陣につないだ。
今春からメンバー入りした。チームに必要とされる投手を目指す。「登板したら自分の役目を必ず果たしてみせる」。春は3年ぶりの東北大会初戦突破へ気持ちを高めた。179センチ、58キロ。湯本一中卒。■学法石川反撃遅く
2年桜井
王者に一矢
「打つしかない」集中高め
4年ぶりに春の県王座に王手をかけた学法石川だったが、聖光学院の壁は厚かった。一時は9点差をつけられたものの、ナインは「夏につなげよう」と対戦を糧にすべく奮闘。終盤に3点を返すガッツあふれる野球で球場を沸かせた。
特に、精神面での強さを見せたのが七回にこの日初打席に立った2年の桜井勇人だ。1死一、三塁のプレッシャーのかかる場面で聖光の好投手小松真碩と対峙(たいじ)した。エンドランのサインが出た5球目、「打つしかない」と一気に集中。内角高めの直球をはじき返した打球は左翼手の頭を越え、走者2人をかえす二塁打となった。王者に食らい付く意地の一振りを放った後は塁上で歓喜のガッツポーズを取った。
大会を通して「好機に確実に打てる力」などナインそれぞれが課題を確認した。聖光との差も感じたが、「自分たちもまとまれば必ずいい試合になる」と主将大栄利哉は前を向く。短期間でチーム全体の力を底上げし、夏の舞台に挑む覚悟を示した。