福島のニュース
新潟県境にある福島県只見町の国道252号出逢橋が流失した問題で、県は27日、橋に隣接する旧道を利用し、仮橋を架けて復旧させると明らかにした。現場では雪崩の被害が大規模化しているため復旧後、冬季は仮橋を撤去して被害を防ぐ。地元からは早期復旧を望む声が強く、県は「一日も早く通行可能にする」とした。地域の関係者は観光業の回復に向けて期待を高めた。
第2回南会津地方対策本部会議で示した。県南会津建設事務所によると、仮の道路は仮橋を含めて約200メートル。1車線で幅員4メートルの片側交互通行とする。国道は冬季通行止めとなるが、雪崩による被害を防ぐため、冬期間は仮橋を撤去し再開通後の春に再設置する。30日に施工業者と契約予定で、早急な着工を目指すとした。7月中に開通予定時期を公表する。
2022(令和4)年に近くにあるあいよし橋が流失し、県は新しい橋を建設中。現場まで出逢橋を通行する必要があるため、新潟県側から資機材を運んで施工する。
県は雪崩が出逢橋の流失の原因との見方を強めた。専門家による調査で沢の中に多数の倒木が確認された。直径50センチを超える木もあり、表層雪崩の可能性が高いとした。橋から約250メートル下流の沢で橋桁の一部が見つかったという。
大雪の影響を受けたJR只見線が16日に全線で運行が再開されたが、奥会津の交通環境は元に戻っていない。橋の流失で新潟県と車で直接行き来ができない状況が続き、只見町は観光面で打撃を受けている。町民からは新潟県から車で町を訪れる観光客が減っているのを懸念する声が上がっていた。観光関係者は「只見線は動いたが、関東方面から車で新潟県を経て来町する人もいる。道路も早く何とかしてほしいと多くの町民が願っている」と話した。目黒仁也副町長は会議で「(人が動く)お盆前に開通させてほしい」と求めた。伏見聡所長は「できる限り早く進める」と応じた。