福島県いわき市長選実戦濃厚 元職清水氏立候補の意思 告示まで3カ月

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9月27日の任期満了に伴い8月31日告示、9月7日投票で行われる福島県いわき市長選で、元職の清水敏男氏(61)が立候補の意思を固めた。既に現職の内田広之氏(53)が再選を目指し立候補を表明しており、選挙戦が濃厚となった。31日で告示3カ月となるのを前に、動きが活発になってきた。
清水氏は今月から動画投稿などを通して、市が抱える課題への提言の発信を始めた。地元の常磐地区では、道路沿いで早朝のつじ立ちを重ねている。28日、福島民報社の取材に「市政の停滞に、じくじたる思いを持っている」と立候補に意欲をにじませた。清水氏はこれまで一部の後援会関係者に立候補の意欲を示していたが、取材には「熟慮を重ねている」と述べるにとどまっていた。
内田氏は2月末、市議会2月定例会で再選に向けた立候補を正式に表明。4月上旬には連合福島、いわき地区連合と政策協定を結んだ。公約の一つとして掲げている市内への防災庁誘致に向けては、5月にいわき商工会議所、市医師会などと連携した期成同盟会を設立するなど、実現を目指して取り組みを加速させている。公務の合間には、市内各地区で後援会発足式を開き、地固めを進めている。
市長選を巡っては、市議会の自民系2会派が内田氏を支援する方向で一本化を図ろうと調整を進めている。2会派は現職との距離が近い最大会派の政風会(13人)と、これまで現職と一定の距離を置いてきた真政会(6人)。両会派はいずれも前身会派で2005(平成17)年以降の計5回の戦いでそれぞれ候補者を擁立。「保守分裂」の選挙戦を繰り広げてきた。
今秋の市長選で一本化を模索する背景には、今夏の参院選がある。福島県選挙区(改選1議席)では、自民党が同市を地盤とする現職を擁立するため、議席の死守に向け党が一体となった選挙活動が求められている。
会派関係者は「まずは参院選で勝利し、その連携と勢いを市長選につなげられれば」としている。
市長選を巡っては、他にも水面下で複数の名前が挙がっているが、現時点で表立った動きはない。