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福島県のJA会津よつばは安定的なコメの集荷と供給に向け、2025(令和7)年産コシヒカリ1等米の生産者概算金について、1俵(60キロ)当たり2万5千円の最低保証額を初めて設定する。例年秋に決まる概算金の下限を早期に提示することで、競合他社との集荷競争に対応するのが狙い。
同JAの原喜代志組合長が31日、会津若松市で開かれた総代会の席上、明らかにした。
JA全農福島は例年9月、JA概算金を決める。県内各JAはJA概算金を基に農家への仮払金となる生産者概算金を提示する。2024年産米では、1俵当たりのJA概算金が1万6千円台、生産者概算金が30年ぶりに2万円台となった。しかし、会津よつばによると、競合他社が生産者概算金を上回る価格で買い取るなどしたケースがあったという。さらに高温や日照不足により広い範囲で起きた倒伏の影響も重なり、集荷量は計画の約8割にとどまった。
コメの価格を巡っては、精米時の歩留まりの低下、インバウンド(訪日客)増加による需要の拡大、南海トラフ地震臨時情報発表後の買いだめなどが原因となって品薄が続き、店頭価格は高止まりしている。
会津よつばは競合他社に劣らない価格交渉力で集荷量を増やし、コメを安定供給する方針。会津よつばの試算では、5キロ3400円程度になる見通しだという。原組合長は「生産者が意欲を持って再生産できるよう後押しする」と語った。