ヘアカラー剤の使用済み容器 回収事業に協力を 医療用ウィッグ寄贈 東北理容競技大会で呼びかけへ 福島県郡山市

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ヘアカラー剤の使用済み容器 回収事業に協力を 医療用ウィッグ寄贈 東北理容競技大会で呼びかけへ 福島県郡山市

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福島県理容生活衛生同業組合青年部は、16日に福島県郡山市のホテル華の湯で開かれる東北理容競技大会の席上、東北各地から出場する理容師に対し、ヘアカラー剤の使用済み容器の回収事業への協力を呼びかける。アルミ製の容器を換金して購入した医療用ウィッグを医療機関に贈る取り組みで、同青年部の働きかけによって東北各県の理容生活衛生同業組合の加盟理容店で広がりつつあり、一層の普及を目指す。
理容店で定期的に使うヘアカラー剤が入った容器は、使用後に産業廃棄物として捨てられているが、回収してアルミに再利用するため業者に買い取ってもらう。医療用ウィッグは、がん治療などで毛髪が抜けてしまった人らが使う。SDGsに貢献しながら、理容業者だからこそ、髪にまつわる患者の思いに寄り添いたいとの思いがこもる。
回収事業が始まったのは、福島県の組合郡山支部の柳沼公貴さん(50)が2014(平成26)年に都内で開かれた理容講習会で、容器を回収して換金する社会貢献活動を知ったのがきっかけ。郡山支部青年部員間で始まり、2018年には県の組合青年部の事業となった。2021(令和3)年には、当時の組合青年部長の石井啓行さん(42)が東北地区の会議で取り組みを報告。東北ブロック青年部の事業に発展した。
容器は1個約10グラムで、1キロ当たりの買い取り価格は120~190円台。東北全体で年間600~900キロ程度分が集まり、ウィッグなど3~6セットを寄贈できている。
競技大会では、福島県組合の青年部が回収事業の紹介やウィッグ展示のブースを設ける。青年部長の橋本靖雄さん(40)は「広く取り組みを知ってもらい、社会貢献につながるヘアカラーを推進する」と意気込む。