福島のニュース
福島県磐梯町に唯一の工場を置くカメラ、レンズメーカー「シグマ」(本社・川崎市)は今夏、新たなシネレンズ(映画用レンズ)「Aizu
Prime
Line(アイヅ
プライム
ライン)」を発売する。シネレンズの明るさを表す指標で、世界で最も明るい「T1・3」を実現した。製品名に初めて会津の名を冠し、「高品質の代名詞」として会津を世界に売り込む。米国ロサンゼルスで4日(現地時間3日)、発表会を開いた。
シグマは全製品を会津工場で生産している。レンズ研磨に使う大量のきれいな水、半世紀にわたって会津工場で培った知見、武士道精神に基づく会津人の献身的かつ誠実な人柄が合わさり、革新的な製品を生み出している。高品質、信頼性の証しとして、世界最高峰レンズに「会津」の名が最もふさわしいと判断した。
新レンズは暗闇でも撮影できる圧倒的な明るさが特徴だ。背景のボケをより美しく表現できるなど、これまでにない立体感と奥行きのある映像を生み出す。ハリウッド映画をはじめ、邦画やドラマ、CMなど幅広い撮影に対応する。
唯一無二の新たなレンズを目指し、2022(令和4)年から開発を進めてきた。レンズ部分は十数枚の凹凸レンズを磨いて組み立てるなど、高い専門性と精緻さが求められる。研磨技術に加え、最先端の非球面レンズ成形技術を投入。会津の職人技を集結して完成させた。山木和人社長は「映画用レンズで世界一のブランドを目指す。Aizu
Prime
Lineで撮影された映画がアカデミー賞を受賞するのが夢だ」としている。■品質の高さ強調
米発表会で山木社長
発表会は映画の本場・ハリウッド近くにあるアカデミー映画博物館で開かれた。山木社長は会津の豊かな自然、会津藩の精神などに触れながら、「会津工場の製品は、ばらつきのない一流の品質と信頼性を実現している」と強調した。