メダカで障害者就労支援 元養護教諭の田辺真佐子さん 8日、福島市に事業所開所 販売や飼育通し責任感育む

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メダカで障害者就労支援 元養護教諭の田辺真佐子さん 8日、福島市に事業所開所 販売や飼育通し責任感育む

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メダカの販売や飼育を通して障害者やひきこもりの人の就労を支える拠点が8日、福島市に誕生する。「生きづらさを抱える人の力になりたい」と、高校の元養護教諭の田辺真佐子さん(65)=福島市=が中心となり開所準備を進めてきた。小さな命に向き合う場を通し、障害者らの社会参加を後押しする。
田辺さんが在職中、保健室には発達障害や心身の悩みを抱える生徒が訪れた。卒業後に就職しても周囲の理解を得られず、離職してしまう教え子も目にしてきたという。「次は子どもたちの就労を支えたい」。一線を退いた後の夢が、だんだんと見えてきた。
退職を間近に控えた昨年秋、知人を介してメダカ研究の第一人者で、メダカによる福祉事業に取り組む青木崇浩さん(48)=東京都八王子市=の存在を知り、事務所を訪ねた。飼育を通じた癒やし効果や責任感の育成、近年のメダカ人気による市場価値の高さなどに魅力を感じた。
メダカの飼育や用品販売の接客、水槽を貸し出すリース事業などは障害者の一般就労に向けた一歩になると確信。水質浄化に関して独自技術を持つ青木さんが社長を務める「めだかやドットコム」と業務提携を結んだ。田辺さんの店舗は福島市のパセナカミッセ2階に設け、就労継続支援B型事業所と店舗を兼ねる「ふくしまめだかやさん」としてスタートする。
事業所新設に伴い、合同会社を設立した。運営には田辺さんの趣旨に賛同した元特別支援学校教諭の加藤孝子さん(65)、元高校教諭の笠原高明さん(73)、元講師の高橋優太さん(29)の教員経験者3人も加わった。B型事業所の利用者はメダカに関する業務だけでなく、各自が興味のある分野で個別に活動する時間も設け、思い思いの学びや挑戦を支えていく。
田辺さんは「就労を支え、障害への理解を深めたい。困っている人がいたら、まずは足を運んでほしい」と呼びかけている。
事業所は利用者を募集している。問い合わせは同事業所へ。