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福島県いわき市小名浜のアクアマリンふくしまは5日、世界で初めて、バショウカジキとコバンザメが互いに利益がある共生関係「相利共生関係」であることを解明したと発表した。研究成果が動物行動学の国際学術誌に掲載された。
同館によると、同館で展示していたバショウカジキのエラの中にコバンザメが隠れる様子を発見し、行動観察を続けてきた。コバンザメがバショウカジキのヒレの付け根に頭を押し込む様子が観察され、宿主の体表に付いた寄生虫を取り除く「クリーニング行動」をしている可能性が高まった。さらにバショウカジキがコバンザメの遊泳に合わせ泳ぐ速度を落とし、エラぶたを開けて出入りを容易にするなどの「クリーニング要求行動」をしていることも明らかになった。エラから出たコバンザメがエラに戻る頻度は、64回の観察で100%だったという。南三陸町自然環境活用センターと共同研究した。
これまでは、コバンザメだけが利益を受け、宿主に利益がない「片利共生」であるという考え方が主流だったという。
アクアマリンふくしまの担当者は「外洋域での動物同士の共生関係を解明する上で、極めて貴重な成果」としている。