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大学生が運営するインバウンド(訪日客)向けのゲストハウス「門出」が10日、福島市西中央にオープンする。庭園を備えた日本邸宅で、伝統文化や日本酒などに触れてもらう。JR福島駅西口近くにある立地を生かし、県内の観光情報なども発信する。福島の復興に関心があり、福島県と石川県を行き来する金沢大4年の石浦咲月さんは「福島、東北の旅の入り口になればうれしい」と意気込む。
石浦さんは地域づくりに関心があり、昨年夏に地域課題解決型のワークショップに他の学生と一緒に参加。福島市のコンサルタント業「イノベーションシフト」の浪木克文社長と出会った。浪木社長は若者が興味を持つ産業を作りたいとの構想があり、ゲストハウス開業を後押しすることにした。
邸宅は宮大工がふんだんな木材で建築し、茶室や掘りごたつが古き良き情緒を生んでいる。空き家となっていたところ、民泊事業も展開している浪木社長が借り受けた。石浦さんは大学の講義などに出席する一方、訪日客に好まれる施設内容を考え、リノベーションの準備や事務手続きなどを進めた。
宿泊客には茶道や書道、着物といった伝統文化の体験を用意し、福島県自慢の日本酒を提供する。あえて食事は出さず、利用者に台所で料理したり、外で食べたりしてもらう。
7、8両日には午前10時から午後4時まで、プレオープンイベントを開催する。館内探検やフォトコンテスト、縁側での茶話会を催す。石浦さんは「来春に大学を卒業した後は、後輩が引き継げるよう準備も進めている。思いをつなぎたい」と話している。
門出の住所は福島市西中央1の65の2。問い合わせはゲストハウス門出。