福島のニュース
新潟水俣病に関わる人々と交流している沼田梓さん(40)=新潟県阿賀野市在住=は福島県内で、新潟水俣病に思いを寄せてもらう映画上映会を計画している。新潟水俣病の発生地と東日本大震災・東京電力福島第1原発事故の被災地では、体験の継承が課題になっていると感じる。「どのように記憶をつなぎ、将来を見据えるかを一緒に考えたい」と話している。
上映するのはドキュメンタリー映画「阿賀に生きる」。阿賀野川流域で暮らし、被害に遭った人々の素朴な生活を映している。1992(平成4)年に公開された。新潟水俣病を根底に据え、命の賛歌を表現している。
映画上映会の参加者と新潟水俣病関係者の交流会も開き、感想や意見を共有し合う企画も考えている。詳細が決まり次第公表する。
ワークショップで若者を集めるなどしている大熊町の団体「大熊未来塾」の活動を参考にした。新潟水俣病について若者が学び語る機会をつくるため、公式確認から60年を迎えた5月31日、有志とともに団体「阿賀と生きる会」を発足させた。
患者救済などの問題が残っている現状を踏まえ、「新潟水俣病を考えることは福島の震災や原発事故を考えることにつながる。交流し、議論する場の創出に取り組んでいきたい」と語っている。