スキー場存続へ転換 だいくら、高畑 公費負担は削減 福島県南会津町

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スキー場存続へ転換 だいくら、高畑 公費負担は削減 福島県南会津町

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福島県南会津町の会津高原だいくら(田島)と北日光・高畑(伊南)の両スキー場の閉鎖方針案について、町は公費負担を削減しながら両スキー場を含む町有4スキー場を存続させる方針に転換した。施設ごとに指定管理者、住民、民間事業者などでつくる支援組織を立ち上げ、振興策や誘客策を協議する。13日、町議会全員協議会で示した。
住民説明会での意見や有志による8938人分の署名提出を受け、改善の余地があるとして会津高原たかつえ(舘岩)、会津高原南郷(南郷)を含む全スキー場の存続へかじを切った。
リフトや圧雪車の修繕など最低限の経費のみ負担し、原則新たな投資はしない。1施設当たり年間約2800万円かかる修繕費の町の負担を最終的に約1800万円とする目標を掲げた。収入増を図り、指定管理者の収益の一部を修繕費として納付してもらう仕組みを想定。リフトの一部廃止などによる経費削減を検討し、ふるさと納税などで財源確保に取り組む。
現在の指定管理者の契約は今年度まで。次の5年間で経営改善を進める。2030(令和12)年度に改めて存続させるか判断する。7月に住民説明会でスキー場を含む16観光施設の今後の方針を説明し、9月に次期指定管理者の公募を始める予定。■財政など課題山積
町は全スキー場を存続させる方針に転換したが、スキー人口の減少や気候変動などを背景に課題は山積している。昨年度は大雪のため全施設で利用客数は増加した。ただ、今後も安定的に雪が確保できるかは不透明な上、人口減で財政状況は厳しさを増している。渡部正義町長は記者会見で「課題は多いが、町民の思いを大切にしたい。支援組織での協議で存続の道を模索する」と述べた。だいくらスキー場を未来につなぐ会共同代表の湯田浩和さん(40)は「今、スタートラインに立った。地域が協力してスキー場のファンを増やしていく」と話した。