震災の教訓忘れないで 磐城農高に組み立て式「応急給水タンク」寄贈 福島県いわき市のウインテックス

  • [エリア] いわき市
震災の教訓忘れないで 磐城農高に組み立て式「応急給水タンク」寄贈 福島県いわき市のウインテックス

福島のニュース


若い世代に東日本大震災の教訓を忘れず防災意識を高めてもらおうと、福島県いわき市のウインテックスは、組み立て式の応急給水タンク「ホリフトウォーター」1台を、市内の磐城農高に寄贈した。今後、勿来工、小名浜海星、平工の各高にも寄贈する。
タンクは約1メートル四方の土台に支柱を立て、食品衛生法に適合した袋を取り付け完成する。大人2人が5分ほどで組み立てられ、水千リットルを入れることができる。据え置き型タンクと比較して保管のスペースを取らず、トラックに乗せれば簡易給水車、湯を入れれば簡易浴槽などとして利用できる。
同社は産業用梱包資材の製造販売を行う堀富商工(本社・堺市、堀畑敏一社長)の製造拠点として、2006(平成18)年、いわき市小名浜で創業した。東日本大震災で被災、約1カ月の断水を経験したことから、自社の折りたたみ式物流コンテナの技術を応用し、応急給水タンクを開発した。
同社は、市内の約4万5千戸が断水した19年の台風19号、昨年の能登半島地震などの被災地に無償でタンクを設置するなどボランティア活動を続けている。タンクは政府のウクライナ支援物資としても指名され、20台が提供された。
寄贈式は同校で行われ、堀畑社長が岡部富洋校長に目録を手渡した。生徒会でいずれも3年生の高木暖会長と二瓶彩名、室谷彩乃両副会長がお礼の言葉を述べ、岡部校長から堀畑社長に感謝状が贈られた。引き続き組み立ての実演が行われ、教諭らが組み立て方を学んだ。(いわき版)