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郡山署は人命救助に貢献したとして福島県郡山市の飲食店従業員と須賀川市の家族に、それぞれ署長感謝状を贈った。
郡山市の中華料理店「大昇楼」従業員の丸山清香さん(52)は5月9日午後7時ごろ、県警のメール配信システム「POLICEメールふくしま」の通知を目にした。行方不明となった市内大槻町の高齢男性の特徴を知らせ、情報提供を呼びかける内容だった。
午後9時ごろ、歩道を歩いている特徴を捉えた男性を発見し、声をかけた。雨の中、「大槻町の家に帰る」と言いながら自宅とは反対方向に進む男性を引き留めようと手をつかむと、男性の手が非常に冷えていた。男性を懸命に引き留め、警察に通報した。
贈呈式は6月6日、同署で行われ、七海暢一署長が丸山さんに感謝状を手渡した。丸山さんは日頃からメールが届くと確認し、該当者の特徴を覚えるようにしていた。「男性が無事に帰れて安心した。メールを見て協力する人が一人でも増えたらうれしい」と胸をなで下ろした。斎藤恵生活安全課長が同席した。
感謝状を受けたのは須賀川市の芳賀美穂さん(52)、長男朋之さん(26)、次男強太さん(25)、朋之さんの妻ひろみさん(23)。5月24日午後8時ごろ、朋之さん、強太さん、ひろみさんが同乗する美穂さん運転の車で郡山市安積3丁目地内を走行していた際、美穂さんが道路脇の空き地でしゃがんでいる90代女性を発見。辺りは暗く雨が降り始めていたため心配になり、4人は停車後に女性の元へ駆け寄った。
女性はよろけるなどうまく体が利かない様子で、衣服は泥で汚れていた。美穂さんや朋之さんが「どこから来たの?」などと話しかけたが、女性は「いくべ、いくべ」と言葉を発するのみ。会話が成り立たず女性の自宅を特定できなかったため、ひろみさんは110番通報した。美穂さんらは警察官が到着するまで女性を車に乗せて待機し、強太さんは近くまで来たパトカーを現場まで誘導した。
贈呈式は6月13日、同署で行われ、美穂さんとひろみさんが出席。七海暢一署長が2人に感謝状を手渡した。美穂さんは「当たり前のことをしただけなので、受賞に驚いている」、ひろみさんは「女性が無事に家族の元へ帰れて良かった」と語った。(郡山版)