芥川賞作家・平野啓一郎さん 龍之介作品の魅力語る 福島県こおりやま文学の森資料館開館25年記念

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芥川賞作家・平野啓一郎さん 龍之介作品の魅力語る 福島県こおりやま文学の森資料館開館25年記念

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芥川賞作家・平野啓一郎さん(49)の講演会は14日、福島県郡山市のけんしん郡山文化センターで開かれた。「芥川龍之介の可能性」と題し、芥川氏の作品の魅力や特徴などを語った。
平野さんは愛知県生まれ。京都大法学部在学中の1999(平成11)年に、文芸誌「新潮」に投稿した小説「日蝕」で第120回芥川賞を受賞した。その後も一作ごとに変化する多彩なスタイルで数々の作品を発表するなど活躍している。
講演会はこおりやま文学の森資料館の主催で、開館25周年記念として実施した。400人弱の応募の中から抽選で当たった約280人が来場した。
平野さんは、芥川氏の作品には逆接の接続助詞として「が」を用いる場合が多いと説明。単なる逆接ではなく「物語が大きく転換することを意味している」と示した。
芥川氏の作風について「具体的な物語が、最終的には人間一般の心理について考えさせられる内容に飛躍する」と解説。社会問題を冷静に捉えた作家と評し「どの話も面白く、これからも芥川氏に関する研究が進んでほしい」と期待した。
終了後、会場で平野さんの書籍を購入した来場者を対象に、サイン会が行われた。(郡山版)