東北新幹線 E8系トラブル 福島市の福島駅乗り換え混雑 当面運休、観光客減を懸念

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東北新幹線 E8系トラブル 福島市の福島駅乗り換え混雑 当面運休、観光客減を懸念

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東北新幹線で最新型車両「E8系」の試運転中に不具合が起きた問題で、JR東日本は19日、山形新幹線の福島―新庄(山形県新庄市)間で減便しての折り返し運転を行った。当面の間、上下線に運休などの影響が続く見通し。東北、山形新幹線の中継点となる福島市の福島駅で乗り換えが必要となり、利用者から「いつまで続くのか」などと不安の声が上がった。福島県が舞台の大型観光企画「ふくしまデスティネーションキャンペーン(DC)」のプレ会期が今月末に迫っており、観光関係者は影響が出ないか心配する。
福島駅ではこの日、折り返し運転の山形新幹線の車両を在来線のホームに停車させる措置を取った。乗り換えには東北新幹線ホームまで100メートル以上を歩いて移動する必要がある。午前10時過ぎ、山形方面から福島駅に降り立った乗客は駅員の誘導に従って、新幹線のホームまで長い列を作った。乗り遅れないよう、足早に歩く人の姿も目立った。JR東日本は山形新幹線区間の乗車率を明らかにしていないが、広報担当者は「目立ったトラブルは聞いていない」としている。
劇団四季の公演を見るため、仙台市に向かう途中だった福島市の飲食店従業員小山明美さん(51)は「再びトラブルが起きて運休や遅延が発生するのでは」と、時間に余裕を持たせて駅を訪れた。連日の暑さの中で「停車中にエアコンが切れて、子どもがもし乗っていたらと思うと心配」と不安そうな表情を浮かべた。
プレDCが最終盤を迎え、今週末を中心に各地で趣向を凝らしたイベントが予定されている。旬の果物もサクランボをトップに実り始めた。通常ダイヤに戻る見通しは立っておらず、会津地方の観光事業者は「トラブルが重なり、今後の客足に影響が出なければいいが」と心配を募らせる。■山形新幹線30本運休、一部運休
7300人に影響
JR東日本によると、19日は山形新幹線の上下線30本が運休または一部区間で運休となり、約7300人に影響が出た。東北、山形新幹線は20日以降も運休が続く可能性がある。山形新幹線区間は当面、旧型車両「E3系」で対応する。
福島駅から新幹線で単身赴任先の長野県へ向かっていた福島市の会社員大橋浩朗さん(59)は「トラブルが続いているので気を付けてほしい」と管理の徹底をJR側に注文した。
「E8系」の回送列車トラブルは、補助電源装置の故障でモーター制御装置の冷却ができなくなった。保護機能が作動し、モーターが動かなくなったとみられる。