TOKIO国分さん無期限活動休止「一体何が…」「応援してくれたのに」福島県民困惑 今年もCM準備 

  • [エリア] 福島市 浪江町 葛尾村
TOKIO国分さん無期限活動休止「一体何が…」「応援してくれたのに」福島県民困惑 今年もCM準備 

福島のニュース


東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生以降、福島県の復興のため尽力してきたTOKIOのメンバー国分太一さん(50)による重大なコンプライアンス違反が発表された20日、県内には困惑と混乱が広がった。「一体、何が…」。会見などで詳細な説明がない中、全ての活動を無期限休止する事態に関係者は対応に追われた。
長年にわたって県産農林水産物の〝広告塔〟にTOKIOを起用してきた県の関係者は状況を注視する。県庁の至る所にTOKIOのポスターが掲示されている。例年はCMを夏と秋に放映しており、今年度の当初予算にも広告制作費として約3億円を計上。年内の放映に向け、準備を進めていた段階だった。CM制作会社と今後の対応を話し合った。県農産物流通課の担当者は「情報収集している。それ以外は何も言えない」と言葉少なだった。
国分さんは福島県沖の海の幸を積極的にアピールしてきた。相馬双葉漁協組合長の今野智光さん(66)は「福島県の海産物をずいぶんとPRして復興を応援してくれていただけに残念」と話した。
休園が決まった「TOKIO―BA(トキオバ)」は5月に3周年を迎え、キャンプ場整備などの新事業が発表されたばかりだった。村内に住む自営業伊藤貴一さん(42)は昨年10月に現地で開かれたイベントに飲食ブースを出店し、今後も参加しようと考えていた。20日朝にインターネットでニュースを知り、気になって情報を集めていた。「せっかく開拓して村が盛り上がってきたところだったのに…」と表情を曇らせた。
番組「ザ!鉄腕!DASH!!」の企画「DASH村」で、国分さんらTOKIOメンバーは浪江町津島地区を舞台に農業や農村暮らしを体験してきた。原発事故で津島地区は帰還困難区域となったため、近年は葛尾村でコメ作りをしている。
村内の畜産会社「牛屋」の社長吉田健さん(50)は牛ふんなどの堆肥を提供している。毎年、番組内で国分さんに手渡していた。気さくで温厚な人柄が印象に残り、同い年ということもあって意気投合し、親交を深めていた。吉田さんは「(活動休止は)心苦しい。何が起きたのか可能な限り明らかにしてほしい」と願った。
ファン歴約20年という福島市の会社員佐藤優美さん(30)は「株式会社TOKIOなどを通じて福島を知ってくれた人も多いと思う。TOKIOファンで県産品を買っていた人は離れてしまうかもしれない」と心配した。
昼に開かれた日本テレビの会見では、記者からの「この件を福島の人たちにどういうふうにお伝えしているのか」との質問に、福田博之社長は「お世話になった皆さまにきちんと説明し、引き続きご協力いただけるよう、ただただお願いするばかりだ。必要なところに関係者が赴きお願いと報告をすることになると思う」と述べた。