福島のニュース
福島市の丹治吉さん(83)は43年にわたり、自宅近くにある鳥川小の通学路で登校する児童の見守り活動を続けてきた。後任のめどが付き、5月末で活動からは身を引いたが「子どもたちには、これからも安全な生活を送ってほしい」と願い続けている。
丹治さんは40歳の時、自身の娘や他の児童が安全に通学できるよう、月2回ほど通学路に立ち始めた。市交通安全母の会連絡協議会にも入り、地域の交通事故防止活動にも力を尽くしてきた。60歳からは週3回に回数を増やし、雨の日も雪の日も児童の安全確保に注意を払い、通学する姿を見届けた。児童が、うれしそうに学校での出来事を話す姿を見るのが楽しみだったという。
当初は1人で活動を続けていたが、今では地元住民や教員ら約20人が交代で見守っている。「地域のつながりを実感できた」と振り返る。
5月の活動最終日も明るく児童に声をかけた。児童たちからは「今まで、ありがとうございました」と元気なあいさつが返ってきた。同校では感謝を伝える会が開かれ、代表の長谷川なつねさん(5年)が丹治さんに手紙を渡し、「丹治さんのように笑顔で元気なあいさつを心がけます」と誓った。(県北版)