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福島県猪苗代町の野口英世記念館の八子弥寿男館長(88)が退任し、記念館を運営する公益財団法人野口英世記念会の倉根一郎理事長(72)が館長を兼務する。22日の理事会で決めた。
八子さんは猪苗代町出身。会津工高、日大経済学部卒。1994(平成6)年から記念館副館長、2003年から館長を務めた。
倉根さんは宮城県出身。東北大医学部卒、医学博士。2021(令和3)年から記念会理事長。■好きなこと見つけて
野口英世記念館館長退任
八子さんに聞く
野口英世記念館長を退任した八子さんは2003(平成15)年から22年にわたり、記念館運営のかじ取りを担った。「野口博士が勉強に夢中になったように、何か好きになれる事柄を見つけてほしい」と子どもたちにエールを送る。
―館長としての22年を振り返って。
「博士を精巧に再現した人体型ロボットや体験型の設備を導入し、来館者が楽しみを感じられる運営を心掛けた。博士の肖像画をあしらった2004年の千円札発行が最も思い出深い。町は熱気にあふれ、県外から講演依頼が殺到した。自分は『あがり症』だが、博士の話をするときは緊張することなく、何時間でも話せる。多くの人に博士の功績を伝えることができた」
―野口博士とのかかわりは。
「祖父・弥寿平と野口博士が猪苗代高等小学校の同級生だった。野口博士が左手の手術を受けた際は弥寿平が会津若松まで迎えに行った。博士が弥寿平に宛てた手紙を読むと、博士は語彙が豊富で、文才に優れている。弥寿平を含め、博士にほれ込んだ人は、博士の頭の良さにほれ込んだのだろう」
―記念館には連日、多くの修学旅行生らが訪れる。
「野口博士は学ぶのが大好きで、寝る間を惜しんで勉学に励んだ。将来を担う子どもたちには博士のように夢中になれるものを探して努力を重ねてほしい」(会津版)