【ふくしま2025参院選】3連休に投票日、啓発苦心 7月20日有力 期日前さらに重要視 移動投票所や周知強化

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【ふくしま2025参院選】3連休に投票日、啓発苦心 7月20日有力 期日前さらに重要視 移動投票所や周知強化

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参院選の7月3日公示、20日投票が確実視される中、福島県と市町村の各選管委は、投票率向上を目指し、有権者の関心を高めようと苦心している。今回の投票日は学校の夏休み最初の週末となり、3連休の中日に当たる。若い世代を中心にレジャーや遠出を楽しむ人の棄権が懸念されることから、各選管委は期日前投票がより重要になると分析。移動式投票所を設けたり、若年層への啓発を強めたりと新たな取り組みの準備を急いでいる。「真夏の決戦」を見越し、暑さ対策にも知恵を絞る。
「期日前の期間にどれだけ多くの人に周知できるかが鍵だ」。県庁内にある県選管委事務局では23日、担当職員が啓発ポスターの原案を確認するなど参院選の準備作業を進めた。
投票日が7月20日に決まれば、投票率低下への懸念からこれまで国政選挙で避けられてきた3連休の中日となる。「異例」の日程は、夏の行楽の予定を優先するなど有権者の行動に及ぼす影響が見通しづらく、県選管委は期日前投票の利用を含めた啓発の重要性が増すとみる。連休前に一票の行使を促そうと、ポスターのデザインや啓発の手法などを工夫し、若者を中心に関心を高める考えだ。
昨秋の衆院選では県内の期日前投票率が全投票者数の48%近くを占めた。各市町村選管委も「中日対策」などの一環で、期日前投票がより利用しやすい環境づくりを目指す。福島市選管委は今回から移動式の期日前投票所を新たに設ける。1日当たり3カ所、延べ12カ所の設置を検討。大勢の学生がいる大学や有権者の多い投票地区などへの開設を想定している。一部の開設地には人目を引く外装の「メロディーバス」を巡回させる予定で、連休に計画がある人に早めの投票を呼びかける。
いわき市選管は今回、商業施設など大勢の有権者が訪れる施設での効果的な対策に重点を置く。期日前投票所はイオンモールいわき小名浜やラトブなどを含む17カ所への設置を計画。担当者は「商業施設を中心に人が多く集まる場所での啓発活動にも力を入れる」と考えを巡らせている。
地方自治が専門の今井照地方自治総合研究所特任研究員(元福島大教授)は「(投票日が3連休の中日になることで)投票になじみの薄い有権者が棄権する可能性がある」と分析する。「期日前投票の設置箇所や時間を拡充させれば、投票率の向上が考えられる」と周知の重要性を指摘している。■猛暑想定、送迎など対策
投票日と想定される7月20日は例年、梅雨明け前後の猛暑になる場合が多く、各自治体は対策について試行錯誤している。高齢化率が60・8%と県内で最も高い金山町は、投票所となる集会所へのエアコン設置費用を一部補助し、投票に来た人や投票所運営に携わる人の熱中症を防ぐ。須賀川市選管委は1人暮らしの高齢者などを対象に運行していた乗り合いタクシーを期日前のみならず、投票日も運行させる方針だ。■県警、違反取締本部を設置
参院選を前に、県警本部と県内全署は23日、選挙違反取締本部を設置した。
県警本部は捜査2課内に取締本部を設けた。大森剛次席が入り口に看板を掲げ、「これから選挙戦が激化してくる。厳正かつ徹底的に対処していく」と語った。
同課によると22日現在、警告に当たる事案はなく、2022(令和4)年の前回参院選の同時期比10件(10人)減となっている。