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福島県田村市は、昆虫ビジネスを手がける「TOMUSHI(トムシ)」(本社・秋田県)と連携し、給食の残りなどの廃棄物を餌にしてカブトムシを育てる実証実験に乗り出す。虫の力で廃棄物を分解し、植物栽培に活用できる肥料をつくる。SDGsならぬ「ムシディージーズ」で循環型社会の実現や地域活性化を目指す。市、同社、昆虫の楽園「ムシムシランド」運営の常葉振興公社の3者は24日、市役所で実証事業協定締結式を行った。
実証事業の連携イメージは【図】の通り。トムシは、ムシムシランドの敷地に研究所を設け、外国種のカブトムシなどを養殖する。市から提供を受けた給食の残りを発酵させるなどして加工した餌でカブトムシの幼虫を成虫まで育てる。その際に餌を食べた幼虫が出すふんを集めて肥料にする。
養殖では、外国種のヘラクレスオオカブトやネプチューンオオカブト、ニジイロクワガタ、ギラファノコギリクワガタなど貴重な昆虫を育成して販売したり、ふるさと納税返礼品に活用したりする。国内の在来種のカブトムシも育て、ムシムシランドに放虫することも計画している。
トムシが培ってきた発酵・養殖の技術、成虫の販売ルートなどを生かして良質なカブトムシの魅力を全国に発信し、昆虫の聖地としてとしての市のPRにつなげる。市は、給食の残りの提供や地域おこし協力隊員の派遣、常葉振興公社は活動場所の提供や助言、カブトムシの買い取りなどで連携していく。
締結式には白石高司市長、トムシの和田宇史取締役事業管理部長、常葉振興公社専務の鎌田洋一・市産業部長らが出席した。■旧カブトムシドーム跡地を昆虫採集に開放
19日から土曜、祝日
田村市は市内常葉町の旧カブトムシドームの跡地約10アールを自由に昆虫採集を楽しめる場「インセクトフィールド」として開放する。7月19日から8月16日までの土曜日と祝日の午前8時からの1時間。
さらに、ムシムシランド敷地内では、カブトムシドーム周辺に自然を生かした遊び場、ときわスカイパレス周辺にキャンプ場を整備する構想だ。