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学法石川高(福島県石川町)自転車競技部の成田光志(3年)が海外のレースで活躍を続けている。5月に参戦したイタリア開催のレースでは、欧州で自身初となる優勝。目標の「ツール・ド・フランス」出場に向けて経験を積んでいる。
競輪選手の父の影響で3歳頃には自転車に乗っていた。小、中学生時代はマウンテンバイク(MTB)にのめり込んだが、映像で見た世界最高峰の自転車ロードレース「ツール・ド・フランス」に憧れを抱き、学法石川高に進学して本格的にロード競技に取り組み始めた。
1年生のインターハイでトラック競技を制して頭角を現すと、昨年は2月の欧州を皮切りにマレーシアやカナダ、スイスなど各地を転戦。2月にタイで開かれたアジア選手権では、ジュニアのタイムトライアルで銀メダルを獲得し、5月には、欧州でも特に自転車文化が盛んなイタリア・トスカーナ州のジュニア世代の大会で、同国の強豪をかわして優勝をつかみ取った。
成田は海外を戦う中で「外国人の選手はジュニアでもパワーが全然違う」とフィジカル面の差を実感した。同時に、練習を通じて課題を克服する中で「自分でも通用する」という自信も付けた。
この間、MTBと、未舗装路などを走るシクロクロスの世界大会にも出場を続けており、「去年は全てに力を入れていて、逆に全て中途半端になってしまった」と反省。今年は将来を見据えてロードとトラック競技に専念するという。
まずは、29日に京都府で開かれる全日本自転車競技選手権での優勝を自身に課している。国内ジュニア世代のトップが集まるレースで結果を出さなければ、世界は見えてこない。「ここで勝って、インターハイでもロードとトラックで2冠を取りたい」。強気で今季を占う一戦に臨む。