福島県浪江町伝統の「十日市」15年ぶり新町通りで開催 11月22、23日 100以上の露店が並ぶ予定

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福島県浪江町伝統の大露店市「十日市」は15年ぶりに町内の新町通りへと会場を移し、11月22、23の両日に開かれる。町の風物詩を本来の姿に戻し、浪江の伝統文化を後世に発信すると共に町民らに古里の思い出を思い起こしてもらう機会とする。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興が進む中、地域のさらなるにぎわい創出につなげる。27日、町商工会館で開かれた運営委員会で決めた。
十日市は晩秋の恒例行事として明治時代から親しまれてきた。震災発生前は歩行者天国の新町通りに300以上の露店が軒を連ね、3日間で約10万人の集客があった。原発事故発生後は町民の避難先となった二本松市で継続。2017(平成29)年から町内に戻り、家屋解体の状況などから町地域スポーツセンターに会場を移して実施してきた。
町はJR浪江駅周辺の再開発が本格化するなど着実に復興へと歩む。新たなまちづくりの中でも、町の文化や風習を絶やさずに未来につなごうと、運営委員会や町商工会が元の形での伝統行事開催を決めた。
当日は100以上の露店が並ぶ予定。ステージイベントも検討し、詳細を今後詰めていく。町商工会の鈴木仁根会長は「十日市の新たなスタート。町への帰還、移住を促すきっかけにもしたい」と決意する。