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福島県内のインバウンド(訪日客)が増える中、会津若松市の鶴ケ城公園で英国出身のジョナサン・ストックトンさん(30)が観光案内所のスタッフとして働いている。「外国人の役に立てているのはもちろん、会津の人々の力になれていることがうれしい」と日々奮闘している。
母国では大学院まで進み、科学の研究者を志していた。進路に迷う中「1年だけ海外で生活してみよう」と2018(平成30)年に日本に渡った。日本を選んだのは当時、村上春樹さんや吉本ばななさんの小説が英国で流行し、興味があったからだ。
南会津町や檜枝岐村で外国語指導助手(ALT)として活動。自然の豊かさや歴史の奥深さ、日本人の人柄に魅了された。鶴ケ城公園を管理する会津若松観光ビューローには、英語教育や外国人の人材派遣などを行う会津グローバルネットワークスの紹介で昨年春から働いている。
現在は週5日、観光案内所に勤務し、外国人観光客の問い合わせに英語で対応している。鶴ケ城公園以外のお薦めスポットも紹介し、馬刺しやソースカツ丼など、外国人にはなじみのない料理をPRしている。公園内の案内看板や解説の英訳のチェックも担う。
来年には「ふくしまデスティネーションキャンペーン(DC)」が開催され、より多くの観光客が会津を訪れると予想される。観光ビューローの福島一郎理事長は「今後の鶴ケ城の観光にとって欠かせない存在。最強の案内人だ」と強調する。
ストックトンさんは「会津に来て、さらに日本が好きになった。もっと日本語や文化を学び、多くの外国人に福島の魅力を伝えたい」と意気込んだ。(会津版)