福島市の中心部に熊 県庁や学校近く、注意促す

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福島市の中心部に熊 県庁や学校近く、注意促す

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福島市中心部の河川敷で30日、熊が目撃された。市や福島署、地元猟友会が捕獲を試みたが、逃げられた。福島署は住民に注意を呼びかけている。
同署によると、同日午後1時10分ごろ、市内方木田葉ノ木立のあづま橋近くの荒川河川敷で体長約100センチの熊1頭が歩いていると通報があった。署員らが捜索し、午後4時ごろ、800メートルほど離れた同市柳町にある信夫橋付近のやぶの中にいる熊を発見。市の職員が麻酔銃を撃ち命中させたが、川を泳ぐなどして逃げ回り見失った。約30人が捜したが、日没に合わせて撤収した。
同署は、方木田と柳町で目撃されたのは同じ個体とみている。両地区はいずれもJR福島駅から約1キロほど離れ、住宅が立ち並び学校がある。
市教委によると、現場に近い清明小は下校する児童に教員が付き添った。福島一中と岳陽中は部活動を中止し、教員が下校に同行した。
近隣に住む会社員大橋晃司さん(67)は「近所に熊がいると思うと怖い」と不安を漏らした。■餌求めて現れたか
猛暑影響の可能性
福島市柳町で捕獲の様子を見守った福島大食農学類の望月翔太准教授によると、猛暑の影響で熊が好む木イチゴやヤマブドウなどが山林で生育せず、餌を求め市街地に現れた可能性を指摘した。中心部に熊が出没した場合、人的被害の危険性が高まるとした上で「早急に捕獲する必要があるだろう」と述べた。