福島のニュース
福島県玉川村でクラフトビールを製造販売している「あぶくまビール」は1日、村内の乙な駅たまかわ内にある自社醸造所「Abukuma
Riverside
Brewery(あぶくまリバーサイドブルワリー)」で醸造を始めた。これまで醸造は他社設備を借りており、製品の流通も限定的だった。今後は自社醸造所で生産量を増やし県内各地での流通を目指す。
あぶくまビールは2022(令和4)年設立。これまでホップジャパン(田村市)の設備を借りて醸造していたが、6月末に自社醸造所の製造免許を取得した。1日は村地域おこし協力隊員で、醸造担当で同社に協力する和田正樹さんが麦汁の煮沸などを行っていた。最初のロットは7月末に完成予定で、和田さんは「多様性のあるビールを造りたい」と意気込む。
自社醸造により、醸造スケジュールの管理や味の調整が容易になり、生産量も拡大する。昨年度は約3500リットルだったが、今年度は最低1万リットルを目指す。村内やイベント出店に限られていた販売も、今後は県内のスーパーなどでも手に取れるように販路を開拓する。
醸造過程で出る麦芽かすを、村内で農業支援に取り組む地域おこし協力隊員に肥料として無償提供するなど循環型の取り組みも推し進める。渡辺潤社長は「石川郡を盛り上げるため、地域の特産品を使ったビールも提供していきたい」と話した。