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流鏑馬の技術を競う福島県古殿町の「流鏑馬大会春の陣」は6月29日、町内の三株高原流鏑馬馬場で開かれ、女性射手で町出身の窪木奈美さん(40)=東京都在住=が初優勝を飾った。
町伝統行事の流鏑馬を継承しようと、町流鏑馬保存会を中心にした実行委が毎年大会を開催。250メートルの馬場に3つの的を置き、的中率を競う。
土煙を上げて疾走する馬から射手の窪木さんの放った矢が3連続で的に命中すると、観客からどよめきが上がった。流鏑馬を始めたのは約10年前で、今回で8回目の出走だ。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故後、福島県から人が減り続けることに危機感を持ち、地元を元気にするために「古殿らしいことに挑戦しよう」と思い立った。元々、小学生の時に町内で開かれていた乗馬教室に通っていて、流鏑馬に興味はあった。保存会に入会して本格的に競技に取り組んだ。
当時女性は窪木さん一人だったが、「先輩たちから良くしてもらった」と感謝する。現在は都内に住み、仕事の合間を縫いながら帰省して練習に励んでいる。5月の練習中に落馬して左肩を強打したが、「競技中はアドレナリンが出るので今日は痛みも感じなかった」。人馬一体になる感覚や命中した時の爽快感が魅力で、「特に若い人たちに興味を持ってもらえるように競技を続けていきたい」と話した。
窪木さん以外の成績は次の通り。
②岡部祐樹(古殿町)③岡部明広(同)④藁谷括則(同)⑤小浜義公(同)(県南版)