福島県いわき市の福島高専が東大先端研と連携協定 復興・脱炭素の人材育成 全国初、モデルケースに

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福島県いわき市の福島高専が東大先端研と連携協定 復興・脱炭素の人材育成 全国初、モデルケースに

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福島県いわき市の福島高専と東大先端科学技術研究センター(先端研)は3日、包括的連携協定を結んだ。先端研が有する最先端の技術や知見を生かし、復興やカーボンニュートラルに対応する研究・教育人材の育成を推進する。東大の研究機関が高専と協定を結んだのは全国初で、東大は高専との連携のモデルケースとして全国に展開させる方針。
先端研は2018(平成30)年に、いわき市と連携協定を結び、福島高専と風力発電に関する人材育成などに取り組んできた。今回、福島高専と協定を結ぶことで市を交えた3者連携を深める。再生可能エネルギーに携わる人材育成やまちづくりなどで最新の知見を提供し、復興の推進や地域課題の解決につなげる。
協定書の調印式は福島高専で行われた。岡本任弘校長は「風力発電を中心に再生可能エネルギーの研究・技術力の向上を図る。さらなる連携の強化と人材育成の進展につながる」と期待した。先端研の杉山正和所長は「いわきは新しいことに挑戦する文化があり、先端研のフィールドとして意義ある場所」と語った。
同日、市内のアリオスで協定締結を記念したシンポジウムを開いた。先端研の研究者がいわき市内で取り組む風力発電や人流分析、まちづくりの取り組みなどの成果を発表した。岡本校長と杉山所長らが高専と先端研が持つ強みや今後の連携の在り方について意見を交わした。