福島のニュース
参院選本県選挙区(改選1議席)の5候補の陣営は得票目標を設定した。自民党の現職森雅子候補(60)の陣営は43万票、立憲民主党の新人石原洋三郎候補(52)の陣営は50万票を掲げる。報道各社の序盤情勢調査で森候補と石原候補の接戦が報じられる中、両陣営が警戒するのは全国で急伸が伝えられた参政党への支持動向だ。森陣営は屋台骨である保守層の切り崩し、石原陣営は政権批判票の散逸につながりかねないと危機感を強めている。
前回2022(令和4)年と前々回2019年の本県選挙区の結果と投票率は以下の通り。投票率53・40%、52・41%となった過去2回は自民候補と野党統一候補による事実上の一騎打ちとなり、自民候補が約10万票差で勝利した。今回は新興政党が参戦し、構図が変化している。有権者の関心の高い物価高などが争点となり、多くの陣営が投票率は前回を上回るとみる。
森陣営は投票率は前回を上回る54%と予想。公示直前の選対会議で、得票目標を前回選挙で自民新人が得た約42万票を1万票上回る43万票に定めた。矢吹貢一自民党県連幹事長は、接戦を報じる序盤情勢調査を受け「厳しい戦いになるとは思っていた。当選ラインは37万~38万票か」と見通す。
懸念材料は、全国で躍進が伝えられる参政党だ。森陣営幹部は、これまで自民党を支えてきた保守層の一部に参政が食い込んでいるとみる。県議の一人は「参政党の伸びは脅威だ。(本県選挙区で)10万票近く取られかねない」と警戒する。森候補への推薦は見送ったものの「強力なる心情的支援」で支える公明党と連携しながら、保守系の岩盤支持層の票固めを着実に進めるとしている。
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石原陣営は昨秋の衆院選で立民候補が得た合計約42万票を基礎票とした上で、政権への批判票を見込み、得票目標を50万票とした。4小選挙区で3勝した衆院選の勢いを継続しようと、高い目標を掲げた。投票率は55%と想定し、予想投票総数の過半数に当たる43万票が当選ラインとみている。
石原陣営幹部は「参政党に一定の政権批判票が流れる」と危機感をにじませる。参政が掲げる自国優先の政策について、立民県議の一人は「有権者に響きやすい側面がある」とみる。宮下雅志立民県連幹事長は立民、国民民主、社民の各党県連と連合福島、県議会会派「県民連合」で構成する5者協議会の枠組みで「しっかりと政権批判票の受け皿になっていく」と意気込む。
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参政党の新人大山里幸子候補(51)の陣営は「全国比例500万票を勝ち取る」とし、本県選挙区の得票目標はあえて設定していない。ただ、前回参院選の本県選挙区で、当時は政治団体だった参政党の新人が得た2万3027票を上回る得票を目指している。
党員と党の支援者「サポーター」は合わせて700人を超えた。大山陣営幹部は公示前後で「急拡大している」といい、「驚くほどの伸びだ。支持者の期待に応えたい」と手応えを口にした。
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政治団体「NHK党」の新人越智寛之候補(51)は、NHK党が公選法上の政党要件を満たすため、全国での「得票率2%」を目標に据える。本県選挙区では3万3千票以上の得票を目指している。
無所属の新人遠藤雄大候補(40)は得票目標を45万票とし、独自の選挙戦を繰り広げている。【過去2回の参院選
本県選挙区の選挙結果】■前回(2022年)※投票率=53.40%当
419,701
星
北斗
58
自民
新
320,151
小野寺彰子
43
無所属
新
30,913
佐藤
早苗
62
無所属
新
23,027
窪山紗和子
47
諸派
新
19,829
皆川真紀子
52
N党
新■前々回(2019年)※投票率=52.41%当
445,547
森
雅子
54
自民
現
345,001
水野さち子
57
無所属
新
33,326
田山
雅仁
35
諸派
新※年齢、政党名は当時。敬称略※前回の小野寺彰子、前々回の水野さち子は野党統一候補