福島のニュース
バスケットボールBリーグ2部の福島ファイヤーボンズを運営する福島スポーツエンタテインメントは、プロの指導ノウハウを生かし、子どもたちの運動の習慣付けや体力向上などを目指す取り組みに乗り出す。福島県郡山市に今月、県内プロスポーツとして初のコミュニティー拠点を設ける。ボンズのユースコーチらを中心に、幼児や小学生らが楽しみながら体を動かすプログラムを提供する。県内で子どもが運動できる機会や場所が減り続ける課題がある中、地域のスポーツ団体とも連携し、福島県の競技力の底上げなどにもつなげる。
8日、Bリーグと日本財団がスポーツを通じた地域課題解決を目指す事業として支援を発表した。
事業のイメージは【図】の通り。名称は「BONDSのあそびば『スポコミュ!』」で、年中児から小学4年生を対象にする。開成山地区体育施設を拠点に有料で実施する。運動の習慣付けに重要な幼少期に、遊びの延長でスポーツに親しむのが特徴だ。文部科学省が運動能力の発達で推奨する体の基本動作を基に、曜日ごとにテーマの異なる「運動あそび」を用意する。走力やバランスを身に付けてもらう日、投げるや蹴るなど球技の基礎動作を習得する日などを設定。プロスポーツのノウハウも生かし、効率的な体力向上を目指す。
ジュニア選手の育成で実績があるボンズのユースコーチら、多彩な競技の専門家が参加し、さまざまなスポーツの魅力にも触れてもらう。一つの競技に限定せず基礎体力を育むことで、子どもが将来、あらゆる競技に適応できるようにする。より専門的にスポーツに取り組みたい子どもたちを地域の団体に紹介するなど「橋渡し役」も担う。
県の2024(令和6)年度の学校保健統計調査では、標準体重より20%重い「肥満児傾向」の子ども(5~17歳)の割合が、全年齢で全国平均を上回った。子どもの遊びの多様化などにより全身を動かす機会の減少が一因とみられている。子ども4人を育てる市内の金透小のPTA会長宮川卓也さん(53)は学校以外で同世代と体を動かす場所が減っている現状を挙げながら「プロに見てもらえるなら、より安心して子どもたちが体力をつけられる機会になる」と歓迎する。
スポコミュの構想は子どもを取り巻く環境に危機感を抱いた西田創社長(42)が練ってきた。「目標を決めてやり切る経験や体を動かす楽しさを知る経験が幼少期に必要。地域に根付く子どもたちの居場所にしたい」と地元貢献への思いを語った。
福島スポーツエンタテインメントはスポコミュ!の開始を前に、15、16、17、29、30、31の各日、郡山市の宝来屋ボンズアリーナで無料体験会を催す。希望者はボンズの公式サイトから申し込む。詳細も確認できる。時間は年中児から小学1年生が午後3時5分から、小学2年生から4年生が午後4時から。