福島のニュース
日本オートキャンプ協会は、東京都で理事会を開き、任期満了に伴う役員改選で、羽鳥湖畔オートキャンプ場(天栄村)の運営会社社長の田代嘉宏さん(64)を新会長に選んだ。任期は2年。福島県内からの就任は初。
協会はオートキャンプの普及と会員同士の交流を目的に全国のオートキャンプ場経営者や一般のキャンプ愛好家らでつくり、現在の会員数は約9千人。初心者を対象にしたキャンプ教室などの活動に取り組んでいる。
田代さんは2019(令和元)年9~10月に協会が天栄村で国際大会を開いた際に実行委員会事務局長を務め、成功に導いた功績が評価され、会長に推す声が高まった。
天栄村出身。駒沢大経営学部卒。1996(平成8)年に羽鳥湖高原レジーナの森に入社。同年に日本オートキャンプ協会に入会。天栄村振興公社社長などを歴任した。2022年2月にアウトドアのコンサルティング会社TACプランニングを設立。同年4月から羽鳥湖畔オートキャンプ場の指定管理者を同社が務めている。■日本オートキャンプ協会長に就いた
田代嘉宏さんに聞く
被災地の関係人口増へ
日本オートキャンプ協会長に就いた田代嘉宏さんは福島民報社のインタビューに対し、人口減少に伴うキャンプ場経営の担い手不足などの課題に取り組む考えを示した。キャンプを通じた福島県の被災地での関係人口の増加を目指す意欲も強調した。
―何に力を入れる。
「キャンプ人口の増加、キャンプ場の経営者確保を2本柱に活動する。キャンプの楽しみ方の発信などを通して対応する。担い手が不足しているキャンプ場と、経営をしてみたいという人をマッチングする仕組みをつくり、持続的な運営につなげていきたい」
―2019年に天栄村で開いた国際大会では、福島県の風評払拭[ふっしょく]を目指した。
「アジアや欧州からの参加者に東京電力福島第1原発を視察してもらうなどして福島県の安全性を伝えた。今後は首都圏などからキャンパーを浜通りなどのキャンプ場に呼び込む取り組みを進め、被災地での関係人口の増加につなげたい」
―キャンプ場経営者、キャンパーの会員減少が課題だ。
「キャンプ人気でキャンプ場は全国で増加しているが、ファミリーからソロへの移行が進み、キャンプ人口自体はそれほど増えていないのが実情だ。協会に入会するメリットを経営者、キャンパーに一層発信して会員を増やしていきたい」