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福島県浪江町は、東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域のうち、特定帰還居住区域での準備宿泊を7月下旬にも始める。特定帰還居住区域が設定されている5市町で初となる。避難指示解除と帰還に向け、住民に自宅の修繕など準備を整えてもらう。15日、申請の受け付けを開始した。
意向調査で帰還の意思を示した約330世帯を対象に、設定された約940ヘクタールで実施する。ただ、区域内は除染など環境整備が途上の地区も多く、まずは避難指示が解除され、放射線量が低下している特定復興再生拠点区域(復興拠点)の外縁から宿泊を受け付ける見込み。町が申請を取りまとめた後、政府が放射線量を測定し、宿泊が可能かどうか判断する。除染の進[しん]捗[ちょく]に合わせ、宿泊できるエリアを広げていく方針だ。
政府は特定帰還居住区域の避難指示解除について、「2020年代に希望者全員が帰還できるようにする」との方針を掲げているが、具体的な時期は示されていない。準備宿泊の可否を判断する町は自宅の清掃や修繕を求める町民の声が上がっていたため、実施を決めた。
準備宿泊の申請は町企画財政課(平日午前8時30分~午後5時15分)。■立ち入り規制緩和
町内6カ所
浪江町の特定帰還居住区域での準備宿泊を前に、政府と町は15日午前10時、帰還困難区域の町内6カ所の立ち入り規制を緩和した。
放射線量が十分に低下しているのを踏まえて判断した。お盆時期を控え、墓地や、神社につながるアクセス道路を含めた。
6カ所は次の通り。
津島稲荷神社アクセス道路、長安寺広谷地墓地、大堀後畑墓地、大堀西原墓地、井手唐沢墓地、井手山田前墓地