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通信を中心としたインフラ建設に携わる「ミライト・ワン(東京都)」の新社長に、副社長執行役員で小野町出身の菅原英宗氏が就いた。菅原氏は15日、福島民報社の取材に答え、古里・福島県との縁を大切に、通信を通した地域貢献を模索する考えを示した。
―社長就任の抱負を。
「グループ会社同士の連携で成長を加速させる『かけ算の連結経営』を強化する。通信建設を事業の柱に据えつつ、再生可能エネルギー、情報通信技術(ICT)を活用した課題解決支援などにも力を入れたい」
―通信業界で長く活動してきた。
「人工衛星の開発、通信市場拡大に向けたルール導入などに関わった。1990年代半ばにはNTT福島支店に勤務した。当時の県内はネットワーク環境が十分ではなく、県などと協力し、葛尾村の全家庭にテレビ電話や通信サービスを整えるなど普及に努めた」
―古里への思いは。
「ミライト・ワンは浪江町と計画している地域電力会社の設立、脱炭素に向けた郡山地方広域消防本部庁舎の『ZEB(ゼブ)化』の設計施工など県内での事業も多い。社長就任でご縁を感じている」
―県内での取り組みをどう進めていくか。
「浪江町との地域電力会社設立はエネルギーの地産地消のモデルケースになるよう進める。東北地方を主な事業拠点としたTTKというグループ会社もあり、活躍の場を広げたい」
小野町出身。福島高専、電気通信大電気通信学部卒、東北大大学院工学研究科修了。1987(昭和62)年NTT入社。NTTコムソリューションズ社長、NTTコミュニケーションズ副社長執行役員などを経て、2024(令和6)年にミライト・ワンに移り、副社長執行役員を務めた。社長就任は6月25日付。63歳。