福島のニュース
参院選は20日の投開票まで残り3日となった。広大な福島県選挙区(改選1議席)は街頭演説や集会などの「地上戦」に加え、交流サイト(SNS)を駆使した「空中戦」も白熱。激戦が伝えられる自民党の現職森雅子候補(60)、立憲民主党の新人石原洋三郎候補(52)の両陣営は最終盤での無党派層や若年層の取り込みが勝敗の鍵を握るとみて、SNS戦略を強化している。福島民報社の期日前投票出口調査で、若年層ほどSNS上の選挙情報を重視する傾向が鮮明となった。
SNSは訴求力が高く、有権者に訴えたい内容を随時変更できる柔軟性と即応性が利点とされる。広大な福島県選挙区を遊説する陣営にとって支持を拡大していく上での不可欠なツールとなっており、組織戦を展開する既成政党も媒体ごとの利用者層を意識しながら幅広く活用している。猛暑下での街頭演説を減らす陣営もあり、SNSでの広報に注力する度合いは高まっている。
福島県選挙区に立候補している5陣営の主なSNSの活用状況は【表】の通り。福島民報社が16日午後7時現在で確認した。いずれの陣営もX(旧ツイッター)を活用している点は共通している。
森陣営はSNSの種類や特性に応じて使い分ける。LINE(ライン)では、演説会や遊説の事前告知や活動報告をまとめ、発信している。一方、Xやフェイスブックなどでは、即時性を重視し遊説先で撮影した写真や短めの動画などを随時掲載。動画投稿サイト「ユーチューブ」では、政策に理解を深めてもらえるよう長めの動画をアップしている。担当者は「遊説の臨場感や候補者への親近感を意識し、支持拡大につなげる」と意気込む。
石原陣営は総合選対本部内にSNS対策部を設置し、若手県議らがXやインスタグラム、フェイスブック、ユーチューブなどを活用した広報に注力している。陣営関係者が遊説に同行し、カメラやスマートフォンなどで撮影。争点となっている物価高対策や人口減少対策に焦点を当てた演説動画を重点的に作成し、1日2~3本のペースで投稿している。担当者は「政治に関心が薄い層にも届くよう、分かりやすい発信を徹底する」としている。
参政党の新人大山里幸子候補(51)の陣営は本人のXに加え、県連のSNSなどを駆使。街頭演説の動画や今後の演説予定、応援弁士との写真などを1日数回のペースで投稿している。
政治団体「NHK党」の新人越智寛之候補(51)、無所属の新人遠藤雄大候補(40)は主にXを活用している。【福島県選挙区立候補者】(右から届け出順、敬称略)大山里幸子[おおやまりさこ]
51
参政
新越智寛之[おちひろゆき]
51
諸派
新森雅子[もりまさこ]
60
自民
現石原洋三郎[いしはらようざぶろう]
52
立民
新遠藤雄大[えんどうゆうだい]
40
無所属
新