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福島県楢葉町は16日、町内のならはスカイアリーナで消防団機能別団員や町内外のボランティアなどを対象にした避難所設置訓練を実施した。町出身の大学生が取り組んでいる避難所での仕切りの高さと安心感に関する調査もあわせて行い、参加者が防災への意識を高めながら、よりよい避難所運営について考えた。
町が消防団機能別団員のうち、町内企業に勤務するメンバーを対象にした基礎研修として実施した。団員9人をはじめ計約40人が参加し、段ボールベッドや各種パーティションの設営、避難所のレイアウトづくりを体験した。
調査を実施したのは町出身で津田塾大総合政策学部4年の政井優花さん。よりよい避難所運営の在り方を目指した卒業論文の調査として実施した。簡易的な段ボールの仕切りや組み立てたパーティションを使用し、それぞれの内側で過ごす人の感じ方や通行人からの見え方をアンケートで聞き取った。
政井さんは小学1年の時に東日本大震災と東京電力福島第1原発事故に遭った。石川町など各地へ避難したという。自身の経験と大学でジェンダーや避難所での性被害のリスクなどを学び、テーマを決めたという。今後は調査結果をまとめながら、よりよい避難所運営やレイアウトについて提言する形でまとめる予定。「災害の多い日本だからこそ考える必要がある。仕切りによっても感じ方が変わることを実感してもらえたようでよかった」と振り返り、調査協力に感謝した。
五十嵐力一団長は「顔をあわせて研修に取り組み、防災意識の向上につながる有意義な機会となった」と講評した。(相双版)