福島のニュース
参院選福島県選挙区で4選を果たした自民党の現職森雅子氏(60)は福島民報社のインタビューに答え、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの一層の復興加速化、女性が活躍できる環境づくりのさらなる促進、地方創生の推進に全力で取り組むと力強く語った。(聞き手・編集局長
角田
守良)
―大接戦の末、新人4人を退け、4選を果たした。有権者の期待にどう応えていく。
「選挙戦で広大な県内をくまなく巡り、多くの人の話に耳を傾ける中で感じたのは、有権者が抱える課題や悩みはさまざまで、多様化しているということ。『困っている人を助ける』という政治信念の下、声なき声をこれまで以上に丁寧に拾い上げ、政策に反映させていきたい」
―コメの価格高騰をはじめとする物価高問題への対策は。
「今回のコメ不足は消費者が生産者の現状を知るきっかけになったと思う。コメの価格を下げるだけの政策を進めれば良いわけでない。農家が生産意欲を維持し、消費者と生産者が共に納得できる適正な価格で流通させる必要がある。そのためにはコメに限らず、物価高に見合う賃金の上昇をしっかり実現させていかなくてはならない」
―人口減少と少子化は重要な課題だ。
「県内に限って言えば、女性の県外流出が東北地方で一番多いという現状が人口減の大きな要因になっている。県内の女性がなぜ古里を離れて県外に出てしまうのか。まずは、その原因をよく分析しなくてはならない。女性が福島で働き、結婚して子どもを産み、育てたいと思える環境づくりが必要だ。男女の賃金格差の是正や、女性が働きやすい職場を増やす取り組みを進めていく」
―2026(令和8)年度から第3期復興・創生期間が始まる。本県の復興加速に向け、どのような施策を重視するか。
「本県の国会議員の一番の役割は復興財源を確実に確保すること。第3期復興・創生期間に向け、多額の予算を確保する方針が閣議決定された。しっかり予算を計上し、福島国際研究教育機構(F―REI、エフレイ)を充実させる。優秀な科学者らを招き、福島からノーベル賞受賞者を輩出できるような、そんな夢を描ける施設にしていきたい。同時に、いまだ避難を余儀なくされている人たちの心の復興にも今まで以上にしっかり手を打っていく」
―派閥裏金問題に端を発する与党の「政治とカネ」問題への批判は依然、続いている。
「私自身の政治資金収支報告書への不記載の問題については、指摘があった後、トップバッターで国会の政倫審に出席し、県庁でも記者会見した。私の考えは今もホームページなどに掲載しており、説明責任は果たしてきたつもりだ。今後も求められれば説明を尽くし、政治に対する信頼を取り戻せるよう努力していく」
いわき市出身。磐城女(現磐城桜が丘)高、東北大法学部卒。1995(平成7)年に弁護士登録。金融庁勤務を経て2007年の参院選で初当選。少子化担当相や法相などを歴任した。