会津北嶺終盤一気　福島成蹊に逆転勝ち　２０２５夏の高校野球福島大会　準々決勝（７月２１日）

▽準々決勝
会津北嶺６－３福島成蹊
【評】会津北嶺が集中打で福島成蹊に逆転勝ち。会津北嶺は三回に倉田の適時打で１点差に迫った。八回は田原からの５連打などで５点を挙げた。２番手小林は三回以降を１得点に抑えた。福島成蹊は先制し八回も追い上げたが及ばなかった。■「会津魂で打つ」
会津北嶺の渡部
満塁で適時打
会津北嶺の渡部智大は八回無死満塁で勝ち越しの中前打を放ち、流れを引き寄せた。会津地方出身のメンバーの一人だ。「会津魂で打つ、という気持ちが通じた」と笑顔を見せた。
追う時間が長く、逆転できない焦りで第２、第３打席は凡打に倒れた。八回無死満塁、同点打の新垣悠冴の流れに乗ろうと打席に入った。「狙い球ではなかった」という甘く入ったスライダーに鋭く反応。中堅に運び、喜びを爆発させた。
どんな球にも対応しようと昨冬から速い球と遅い球を無作為に織り込む打撃練習を取り入れ、多い日には２時間を費やした。磨いた柔軟性が大舞台で力をくれた。
チームとして２年ぶりの準決勝では学法石川と対戦する。「平常心で自分の野球をする」と意気込んだ。■福島成蹊
ノーシードから堂々のベスト８

福島成蹊は終盤に投手陣がつかまり、４年ぶりの４強を逃した。八回途中から救援の菊地優志は「自信のある球を投げ込んだが、相手が上だった」と涙を拭った。
１点リードの八回、四死球と安打で無死満塁と攻められた。先発遠藤悠太に代わり「これ以上は点をやれない」と登板した。投じた渾身（こんしん）のスライダーを中前に運ばれ、以降も３連打を浴びた。「リードを守り切れず、申し訳ない」と悔しがった。
昨秋から競り負ける試合が続き、春季県大会も逃した。「志」「必笑」と帽子に書き、どんな局面も笑顔で戦ってきた。「守備でリズムをつくり、勝負強く戦う」と誓ったチームはノーシードから８強にたどり着いた。
背番号１は「自分たちの野球を追求し、甲子園を目指してほしい」と後輩に思いを託した。
○会津北嶺・木口奨監督
終盤の集中打で流れをつかめた。勝てて良かった。準決勝も打ち負けない戦いをしたい。
●福島成蹊・粕川樹監督
支部予選で敗れた春からの選手の追い上げに感謝する。下級生は３年生の姿に学んでほしい。