聖光学院鮮やか逆転 日大東北追加点遠く 2025夏の高校野球福島大会 準々決勝(7月21日)

  • [エリア]
聖光学院鮮やか逆転 日大東北追加点遠く 2025夏の高校野球福島大会 準々決勝(7月21日)

福島のニュース

▽準々決勝
聖光学院7-2日大東北
【評】聖光学院が打力で日大東北を上回った。聖光学院は二回、連打と四球で2死満塁とし、大嶋の3点二塁打で逆転。四回に菊地、竹内の連続適時内野安打で突き放した。日大東北は一回に水島の2点適時打で先制したが、二回以降は打線がつながらなかった。■聖光学院の大嶋
投打で主役
初登板で完投、3安打3打点
聖光学院の主戦大嶋哲平が大会初登板の一戦で投打に躍動した。0―2の二回2死満塁から走者一掃の逆転適時二塁打を放つと、9回を6安打2失点とし、勝利の立役者となった。「点を取れたことで、気持ちを切り替えられた」と充実の表情を浮かべた。
斎藤智也監督から試合前に「お前に任せる」と先発を告げられた。変化球を主体に入った立ち上がりに、連打と犠打で進塁され、適時打で2点を失った。悪い流れを断とうと、四回以降は最速133キロの直球を軸に組み立てを修正。五回から七回までを三者凡退でねじ伏せた。
尻上がりに良くなる投球と合わせ、打撃でも主役級の働きを見せた。五回に二塁打、九回に安打を放ち、主砲竹内啓汰と並ぶチーム最多の3安打3打点を挙げた。
センバツ後に負った肘のけがが完治せず、治療を受けながら夏を戦っている。復調の手応えを感じる左腕は、準決勝に向けて「負けない投球をしたい」と力強かった。■「夏に笑うため」猛練習
初回先制打
日大東北の水島
それでも厚かった王者の壁
序盤に先制点を奪っても王者の壁は厚かった。一回に2点中前打を放った日大東北の水島大喜は「相手が一枚上だった。悔しいが、やり切った」と涙を流した。4年ぶりの甲子園を目指す挑戦は昨夏に続いて聖光学院に敗れ、幕を下ろした。
相手先発の大嶋哲平の立ち上がりを攻め、迎えた1死二、三塁の好機。「絶対に打ってやる」と変化球を捉えた。以降も変化球に絞り攻略を試みたが、直球主体の配球に対応し切れなかった。
冬場は筋力トレーニングと食事で体づくりを徹底。体重を9キロ増やし、長打力を磨いた。猛練習に耐えられたのは「夏に笑うため」だ。5月に4番に座り、打線をけん引した。
福島大会で優勝8度の強豪は昨秋、今春とも県大会2回戦で敗れ、ノーシードで臨んだ。悔しさを糧に「好機に打てる打者になる」と大学での成長を誓った。
○聖光学院・斎藤智也監督
先制を許してしまったが、落ち着いた試合ができていた。大嶋の逆転打で勢いがついた。
●日大東北・吉田翔監督
積極的にバットを振りにいったが、大嶋君に抑えられた。苦しい展開でも楽しく戦えた。