福島のニュース
会津の新鋭校の快進撃が止まらない。23日に行われた第107回全国高校野球選手権福島大会の準決勝で、学法石川に勝利した会津北嶺は創部8年目で初の決勝に上り詰めた。会津勢として1985(昭和60)年の若松商以来40年ぶりの快挙。ナインは2年前に「甲子園出場」の悲願を準決勝で絶たれた悔しさを原動力に努力を重ねてきた。同校の歴史を塗り替えた達成感をかみしめながら、「あと1勝」と夢の「聖地」を見据えながら叫んだ。
2年前の「リベンジ」を果たせたことで感激もひとしおだった。ノーシードながら4強入りした第105回大会も準決勝の相手は強豪・学法石川で、3―6で敗れた。当時1年生で、悔しさを味わった3年生は「絶対に学石に勝ってやる」との思いで2年間、鍛錬を重ねた。
勝てるチームづくりのために注力したのは雰囲気づくりだ。学年に関係なく意見を言い合うなど信頼感を高めた結果が連係プレーの向上などにつながり、チームを上昇気流に乗せてきた。一丸となって因縁のライバルとの接戦を制したナインはグラウンドで歓喜の輪を作った。
「記憶に残る最高の夏にする」。選手宣誓を「有言実行」している五十嵐悠斗主将(3年)はチームの強さの根底にあるチャレンジ精神を強調。一戦一戦挑む姿勢を忘れず伝統校や強豪校を打ち破ってきた。目標となる甲子園出場まであと1勝。「楽しむことを第一に、全員で泥くさく戦う」と王者・聖光学院との戦いに向けて表情を引き締めた。
健闘ぶりに仲間や地元住民は歓喜する。2回戦の東日大昌平戦から見守ってきた応援団長の岩崎日煌[はるあき]さん(2年)は「チームがどんどん強くなっていると感じる。一つにまとまって声で後押ししたい」と話した。会津若松市の日新スポーツ少年団学童野球部の目黒結翔さん(謹教小6年)は自宅のテレビで試合を観戦した。「甲子園に出場できるよう決勝戦も頑張ってほしい」と期待のまなざしを送った。