福島のニュース
聖光学院の夏の甲子園出場は20度目の節目となる。県大会を通してチームは団結力を養い、勝利への執念を深めた。
竹内啓汰と仁平大智がチームをまとめ上げた。新チーム発足後の秋季東北地区高校野球大会では7年ぶり2度目の優勝、春の選抜高校野球大会(センバツ)で8強入りする勢いを見せたが、その裏では選手の苦悩があった。
自分が言ったことを仲間が守ってくれない…。竹内が仲間と衝突し、一時主将を降りた。「気持ちが急ぐあまり、空気を乱してしまった」と振り返る。チームへの影響を見かねた斎藤智也監督はセンバツ後から夏前まで仁平に主将を任せた。
周囲と調和する仁平の姿を見て、竹内は独り善がりだった態度を反省した。「弱さを見せても良い。全員で成長しないと」。先輩の言葉や姿勢に後輩たちも突き動かされた。高まった結束力で一戦一戦勝ち上がると、今大会の会津北嶺との決勝では控え選手も躍動した。
どのような劣勢でも全力で戦い抜く王者としての貫禄を身に付けた。まだ見ぬ頂へ、道半ば。「この勢いに乗って悲願を達成したい」と口をそろえた。