福島のニュース
神田外語大(千葉市)の3年生19人は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興状況を国内外に発信しようと、日本語版と英語版の震災復興新聞を作る。8月下旬、浜通りの被災地を取材する。
被災地では生活環境の整備や関連施設の建設が進み復興のつち音が響く一方、今なお古里に帰還できない住民がいる。発生から14年が経過し、記憶の風化も懸念される。こうした現状を踏まえ、福島県復興と学生の学びをつなげようと企画した。
プロジェクトに参加するのは、グローバル・リベラルアーツ学部の柴田真一特任教授(66)のゼミ生。1泊2日の行程で、浪江町の震災遺構「請戸小」や誘致企業、研究機関などを訪ねる。福島民報社の社員が取材や新聞製作をサポートする。完成した新聞は内堀雅雄知事に手渡すほか、英語版は同大の海外提携校などに向けて発信する。
大鵬(東京都)の協力で震災復興をテーマにしたオリジナルビールも造る。原料選びから製造、ラベルのデザインまで全ての工程に関わる。都内の羽田空港や首都圏情報発信拠点「日本橋ふくしま館MIDETTE(ミデッテ)」、福島市のコラッセふくしまで販売する予定。同大で開かれる学園祭「浜風祭」(10月25、26日両日)では福島応援ブースを設け県産品などを販売する。
柴田教授は「これから海外で活躍する学生に過去、現在、未来の福島を感じてほしい」と話す。ゼミ生の山本悠加さん(20)=塙町出身=は「卒業後、海外で仕事をしたい。これからも福島に関わっていくために全力で頑張る」と意気込んでいる。